キッチンリフォームでIHが人気の理由とは?実際のリフォーム事例も
キッチン設備の中でもメインともいえる「コンロ」は、ガスコンロとIHの2種類に分けられます。
キッチンリフォームのタイミングでガスコンロからIHに変えようと思っている方も多いかもしれませんが、そもそもIHはなぜ人気が高いのでしょうか。
◼ コラムのポイント
1、IHの仕組みやガスコンロとの違いなどの基礎知識を学べます
2、IHが人気の理由やデメリットが分かります
3、ガスコンロからIHにリフォームした事例を参考にすることができます
目次
◼ IHとは?
ガスコンロの対比としてIHの存在を知っている方は多いと思いますが、具体的にどのような仕組みで、ガスコンロとは何が違うのか、といったことまでは案外知られていないかもしれません。
・IHの仕組み
そもそもIHとは「Induction Heating」の頭文字を取ったもので、日本語に訳すと「電磁誘導加熱」という意味。
電磁誘導とは、金属の近くで磁石を動かすことによって電気が生じる現象のことをいいます。このときに発生した電気を「渦電流」といい、発生している金属には熱が生じます。
この仕組みを使って、電流を流すコイルを内臓したIHに電気を流すことで磁力線が発生し、電気の力によって熱を発生させています。そのため調理器具そのものを「IH」というのではなく、このような仕組みを利用したものを「IH方式」というのです。
IHの中にはクッキングヒーターや炊飯器などいくつかの種類がありますが、「IHクッキングヒーター」のことを「IH」と呼ぶのが一般的です。
・ガスコンロとの違い
ガスコンロは文字通りガスを使って火を起こして加熱する調理器具のこと。昔からある調理器具なので使い慣れている方も多いかもしれません。
ガスコンロは火を使うことで鍋全体を直接加熱しますが、IHクッキングヒーターは天板の上にIH方式の発熱に適した素材の鍋を置くことで鍋底だけに電気をつたえて加熱させるという違いがあります。
→IHとガスコンロの違い|メリットとデメリットを知ろう
・設置方法
IHクッキングヒーターはシステムキッチンに埋め込むタイプのビルトイン型と、コンロ部分に置くだけの据え置き型の2種類があります。
ビルトイン型はシステムキッチンごと交換しなければならないため、キッチンリフォームのタイミングで設置することになります。
据え置き型はコンロ部分だけをIHクッキングヒーターに取り替えることができるので、より手軽です。サイズを確認した上で好きな据え置き型IHを購入して設置しましょう。
→システムキッチンの基本設備とオプション設備の選び方全集
◼ IHが選ばれる理由
IHの人気が高いことは周知の事実だと思いますが、そもそもなぜIHは選ばれているのでしょうか。IHが選ばれる理由を3つご紹介します。
・お手入れの簡単さ
IHが選ばれる理由の一つ目は、お手入れの簡単さ。料理をしたあと、食器洗いや片付け、掃除など工程が多くて大変ですよね。その上ガスコンロの五徳を外して洗ったり、凹凸を避けながら汚れを落としたりするのは手間だと感じる方も多いはず。
その点IHは天板がフラットなのでさっと拭くだけでお手入れできます。毎日の手間が少し軽減されるだけで、汚れが溜まりにくくきれいな状態を保ちやすくなります。
→お掃除しやすいキッチンの条件と実際のリフォーム事例
・火を使わない
IHが選ばれる理由として、火を使わないこともあげられます。IHは電気の力で鍋底を加熱しているので、火事の心配がありません。小さいお子様や高齢の方がいるご家庭でも安心して使うことができます。
とはいえ加熱中や加熱直後の天板は熱くなっているため、触ることのないようにしましょう。
・便利な機能が搭載
IHでは、ボタンで温度調節できたりタイマーが付いていたりと便利な機能がたくさん。
ガスコンロでも火力を調整することはできますが、つまみを回して調節するのが難しく感じられる方も多いかもしれません。
IHだと火力の強さが数値で表記されているため、一目瞭然。また揚げ物の際には温度調節できるというのはとても便利ですよね。パスタを茹でたり茹で卵を作ったりするときにはタイマーが大活躍してくれます。
◼ IHを選ぶデメリット
IHが選ばれる理由として大きく3つご紹介してきました。しかしデメリットがあるのも事実なので、それぞれ比較した上で導入を検討してみてください。
・使える鍋が限られる
IHの電気を使って加熱するという仕組みから、電気が伝わる鍋しか使うことができません。「IH対応」と表記された鍋やフライパンしか使うことができず、特に土鍋が使えないことは大きなデメリットといえるかもしれません。
またこれまでガスコンロで使っていた鍋やフライパンがIHに対応していない場合、リフォームのタイミングで買い換えなければならなくなります。
・鍋振り調理に不向き
IHで調理する際は、鍋やフライパンの底をIHの天板に付けておく必要があります。そのため中華料理のような鍋振り調理に不向きだといえます。鍋の中を均一に加熱することには長けているIHですが、鍋をあおるような炒め物には向いていないことを頭に入れておきましょう。
・停電時には使えない
電気を使って加熱するIHは、停電すると使えなくなってしまいます。いつどこでどんな災害が起こるか分からないため、災害時や停電時の想定もしておきたいですよね。そこでIHにリフォームしようと思っている方は、卓上のガスコンロを持っておくと安心です。
→キッチンは住みながらでもリフォームできる?リフォーム中の食事は?
◼ IHにリフォームした事例
IHの仕組みと人気の理由、考えられるデメリットについてご紹介してきました。実際IHにリフォームした事例も参考にしてみてください。
・キッチンをリフォームするタイミングでIHに
キッチンが古くなってきているので取り替えたいとのことでご依頼をいただきました。ガスコンロのキッチンを使っていたものの、リフォームのタイミングでIHにしようか悩んでいるとのことでした。
お手入れが楽で、調理中に部屋の温度が上がりにくいということからIHに決定。きれいにリフォームできたので使うのがもったいないとのお言葉をいただきました。
・安全面を考慮してIHに
キッチンが古くなってきたことやキッチンにある細かいものをすっきり収納したいとのことでリフォームのご依頼をいただきました。安全面を考慮して、これまでガスコンロだったキッチンをIHに変更。
面材はピンクをお選びいただき、明るい雰囲気のキッチンになりました。
・長く使えるキッチンへのリフォーム
ガスコンロからIHに変更したい、長く使えるキッチンにしたい、お手入れの楽なレンジフードにしたい、といったご要望をいただきました。
IHにすることでお手入れを楽に、長く使うために木製ではなくステンレスのキャビネットに、自動洗浄してくれるレンジフードに、とお悩みを全て解決できるようなリフォームとなりました。
◼ まとめ
IHの仕組みや人気の理由、デメリットなどを詳しくご紹介してきました。ガスコンロと比べて良い点もあれば劣る点もあるので、それぞれ比較しながら導入を検討してみてください。
ハウジング重兵衛ではキッチンをはじめとする水回りのリフォームを行なっております。
ガスコンロからIHへのリフォーム、I Hからガスコンロへのリフォーム、キッチンの配置や向きを変えたリフォームなどさまざまなリフォーム実績があります。キッチン以外にもトイレやお風呂、洗面所など水回りでお悩みの方はぜひお気軽にご相談ください。
ハウジング重兵衛 編集部のプロフィール
リフォームを中心とした住宅業界
免許登録
・一級建築士事務所 登録番号 第1-2004-7311号
・国土交通大臣 許可(般-5)第25003号
・宅地建物取引番号(5)第13807号
資格情報
・一級建築士
・二級建築士
・インテリアコーディネーター