トイレのリフォーム|タンクレストイレとは
古くなったり不具合が出たりしてトイレのリフォームを検討する際、タンクレストイレが選択肢の一つになることも多いはず。言葉を聞いたことがあっても、普通のトイレと何が違うのか分からないという人のために、タンクレストイレの特徴やメリット・デメリットをご紹介します。実際のリフォーム事例もぜひ参考にしてみてくださいね。
◼ タンクレストイレとは
従来のトイレでは、便器の後方にタンクがある形が一般的でしたが、タンクレストイレは文字通りタンクがないトイレのことをいいます。タンクがないためトイレという狭い空間を圧迫することがなく、スタイリッシュですっきりとした印象になります。
・タンクレストイレの仕組み
タンクレストイレは水道と直接つながっており、水道の水圧で水を流せる仕組みになっています。水が逆流することのないよう、水道管と便器の間の管にはバルブが取り付けられています。
水道の水圧は地域によって異なり、タンクレストイレの種類によっても必要となる最低水圧が異なります。そのためお住まいの地域の水圧を確認してからトイレ選びを行うようにしましょう。またウォシュレットが標準装備になっているのもタンクレストイレの特徴の一つです。
・タンク式トイレの仕組み
タンク式トイレのタンクの中には、一定量の水が蓄えられるようになっています。レバーを押すとタンクの底にあるバルブが引っ張られて穴が開き、タンクに溜まった水が便器に流れ出す仕組みです。一度流すとタンクの中の水位が下がり、少しずつ水が溜まると次に水を流せるようになります。
タンク式トイレにはタンクの上に手洗い場が付いていることが多いのが特徴です。トイレを流すときのレバーを押すと、排水のときに通る管とは別の管から手洗い場の方にも水が流れるようになっています。
◼ タンクレストイレのメリット
便器後方のタンクがないのが特徴のタンクレストイレですが、タンクがないことによってどのようなメリットが生まれるのでしょうか。外観や機能性、お手入れなどさまざまな面から見たメリットをご紹介します。
・スタイリッシュ
タンクレストイレは見た目で選ぶ人もいるほどスタイリッシュなのが特徴。タンクがないだけではなく、流線形のデザインが相まっておしゃれな印象になります。トイレはただの生活空間なのでおしゃれさを求めていないという人もいるかもしれませんが、せっかくリフォームするのであれば見た目にこだわってみるとより快適な空間になること間違いなしです。
・トイレ内が広く見える
新築時に間取りを考える際、トイレは家の中で一番小さい空間になることがほとんどだと思います。広々としたトイレよりもある程度狭い方が落ち着く人も多いかもしれませんが、圧迫感があるほど狭いと居心地が良いものではありません。
タンクレストイレを選択すると、タンクの分の体積がなくなるだけでも空間にゆとりが生まれます。タンクの分の体積だけでそこまで変わらないのではないかと思う人もいるかもしれませんが、狭い空間の中では違いを感じられるものです。他の空間を広く取るためにトイレのスペースを削ったという場合は、リフォームの際にタンクレストイレを選んでみることをおすすめします。
・お手入れが楽
タンクがある一般的なトイレは、便器とタンクの隙間や手洗い場の部分など、さまざまなパーツからできています。しかしタンクレスのトイレは凹凸が少ないシンプルなデザインなので、汚れが溜まりにくい特徴があります。掃除しなければならない部分の面積も少なく、拭き掃除などのお手入れが楽なのもタンクレスのメリットの一つです。
・連続で水を流せる
機能面のメリットとして、連続で水を流せるという点があげられます。タンクがあるトイレでは、一度水を流すとタンクに水が溜まるまでは水を流すことができません。水圧にもよりますが、水が溜まるまでに約1分かかるため朝の忙しい時間にはトラブルのもとになることも。タンクレストイレは水道と直接つながっているため、連続してみずを流すことができます。家族の人数が多かったり、朝の時間がかぶったりするご家庭では大きなメリットとなることでしょう。
◼ タンクレストイレのデメリット
たくさんのメリットがあるタンクレストイレですが、もちろんデメリットもあります。タンクレストイレの設置を検討している場合は、デメリットもしっかり知っておきたいものです。
・手洗い場が別で必要
タンク式のトイレには、タンクの上の部分に手洗い場が付いていることがほとんどです。しかしタンクレストイレには手洗い場が付いていないことが多いのがデメリット。もともと別で手洗い場やカウンターを設置しようと考えていた人にとっては問題ないかもしれませんが、スぺースの問題から別で手洗い場を設けるのが難しいこともあるはずです。またトイレには手洗い場を設けず、隣接する洗面所で手を洗うようにするという選択肢もあります。
・停電時に使いにくい
タンク式のトイレでは、電気を使うことなくレバーをひねることでタンクの水が流れる仕組みでした。しかしタンクレストイレは電気を使って水を流しているため、停電時に使いにくいことがデメリットとしてあげられます。バケツなどに水を溜めて流したり、電池式で操作したりすることで流せるように対策は行われていますが、停電時に関してはタンク式と比べると不便に感じられるかもしれません。
・設置できない場合も
タンクレストイレは、水道と直接つながっているため、最低水圧を満たしている必要があります。水圧が低すぎるとうまく流れなかったり詰まったりしてしまうことがあるためです。どのメーカーの商品を選ぶかによっても最低水圧が異なるため、事前に確認するようにしましょう。マンションの高層階などでは水圧が理由でタンクレストイレを設置できない場合もあることを頭に入れておきましょう。
・ウォシュレットだけの交換が不可
タンクレストイレはウォシュレットと一体になっているため、ウォシュレットだけを交換することができません。ウォシュレットだけが壊れたり新しくしたいと思ったりしたときに交換できず、便器全体の修理ということになります。
◼ タンクレストイレのおしゃれな実例
タンクレストイレは、見た目や機能面でメリットがたくさんあることをご紹介してきました。具体的なイメージを膨らませるためにも、実際の事例を見て参考にしてみてくださいね。
・「TOTO NJ1」を採用してお手入れしやすいトイレに
壁の汚れが気になるため、しっかり拭き掃除できる丈夫な壁にしたいとのご希望でした。壁面に化粧ボードを採用することでお手入れしやすいトイレになっています。TOTOのNJ1というタンクレストイレは節水型として有名な商品です。15年前の従来品と比べて約三分の一の水の量で流すことができます。TOTOの商品は便器の陶器部分に汚れが付きにくく、ホコリも溜まりにくいのが特徴です。お手入れしやすいトイレにリフォームしたい場合におすすめの商品となっています。
・和式からパナソニック「アラウーノV」にリフォーム
高齢で和式トイレが大変なので、使いやすいトイレにしたいとのことでご依頼をいただきました。キッチンに使用するキッチンパネルが掃除しやすいため、トイレにも採用したいとのことでした。光沢のある白い壁にすることで明るくなり、お手入れがしやすくなったと喜んでいただきました。アラウーノVは汚れがつきにくく、洗いにくい便器の縁もお手入れしやすいのが特徴。停電時にも排水できるようになっているため、もしものときにも安心です。
・パナソニック「アラウーノS2」と専用手洗い場を設置
1階と2階のトイレを改修したいとのことで、天井以外を解体した上でクッションフロアとクロスで仕上げました。グリーンのクロスを使用することで、パッと目を引くおしゃれなトイレになっています。パナソニックのアラウーノS2は水を流すときに泡が出てくるので、流すたびにお手入れできる仕組みになっています。お掃除しやすい形状になっていることや、汚れが付きにくくなっているのも嬉しいポイントです。
◼ まとめ
リフォームを検討している際、一度は目にする「タンクレストイレ」という言葉。聞いたことがあっても、具体的に他のトイレと何が違うのかが分からないといった人もいるかもしれません。従来のトイレはタンクに水を溜めて、レバーを押すことで水を流す仕組みですが、タンクレストイレは水道と直接つながっているのが特徴です。またタンク式トイレにはタンクの上に手洗い場が付いていることが多いですが、タンクレストイレは手洗い場を別で設ける必要があるのも違いの一つとなっています。
タンクレストイレはスタイリッシュなデザインなので、見た目が気に入って選ばれることも多々あります。タンクがないためすっきりした印象になり、トイレが広く見えるのもタンクレストイレのメリットです。凹凸が少ないことからお手入れしやすく、タンクに水を溜める必要がないため連続して水を流すことができます。
メリットがたくさんあるタンクレストイレですが、手洗い場を別で設ける必要があることや、水圧の関係で設置できない場合もあることを頭に入れておく必要があります。タンク式のトイレに比べて、流すときに電力を使うタンクレストイレは停電時に不便に感じられるかもしれません。停電時の対応を事前に確認しておくことが大切です。
ハウジング重兵衛は創業120年の会社であり、千葉県と茨城県でリフォーム事業を展開しています。特に水回りに力を入れており、タンクレストイレの商品も多数取り扱っています。地域最大級のショールームでは実際の商品や実例を展示しています。トイレだけではなくお風呂やキッチンなど水回りのリフォームをご検討の際はぜひ
ハウジング重兵衛 編集部のプロフィール
リフォームを中心とした住宅業界
免許登録
・一級建築士事務所 登録番号 第1-2004-7311号
・国土交通大臣 許可(般-5)第25003号
・宅地建物取引番号(5)第13807号
資格情報
・一級建築士
・二級建築士
・インテリアコーディネーター