ユニットバスリフォームのタイミングと長く使うためのコツ
家を建ててから年数が経ち、お風呂の汚れが落ちにくくなったり劣化が進んだりすると、リフォームを検討する頃かもしれません。お風呂にはそもそも大きく分けてユニットバスと在来工法があり、それぞれ特徴が異なります。ユニットバスの交換やリフォームを行うタイミングと、長く使うために意識したいポイントをご紹介します。
◼ お風呂の種類
お風呂の作り方は、大きく分けてユニットバスと在来工法の2つの方法があります。2つが融合したようなハーフユニットというタイプも合わせると3種類あるため、リフォームを成功させるためにもそれぞれの特徴を知っておきましょう。
・ユニットバス
ユニットバスは、浴槽や壁、床、扉などの全てのパーツが工場で生産され、現場で組み立てる工法のことをいいます。工場で生産されたパーツを組み立てるだけなので、現場での作業が短くて済むのがメリット。カタログを見てパーツを選ぶだけで決められるので、細かいところまで選ぶのが苦手だという人でも安心です。その一方で規格が決まっているため、浴室に合うサイズのものしか選べない点や、特注品などは設置できないのがデメリットだといえます。
・ハーフユニット
ハーフユニットとは、お風呂と上下で分けたときに、浴槽より下の部分をユニットバス、浴槽より上の部分を現場で施工する工法のことをいいます。ユニットバスはお手入れしやすい特徴があるため、汚れやすい浴槽や床はユニットバスにして、壁に使用する素材にこだわって個性を出したいときなどに選ばれることが多い工法。壁に使用する素材によっては換気やお手入れなどメンテナンスが重要なので、お手入れが長持ちさせるポイントとなります。
・在来工法
在来工法とは、浴槽や壁、床など、パーツを選んで一から現場で作っていく方法のことをいいます。ユニットバスは決まった規格の中からしか選べないため、浴室のサイズによってはユニットバスを採用できないこともありますが、在来工法は浴室のサイズに合わせて自由に設計できる点がメリット。またパーツ一つ一つに好きなものを選べるため、こだわりのあるお風呂にしたい人におすすめです。現場で一から作っていくためパーツの隙間につなぎ目が生まれ、水漏れしやすいのが在来工法のデメリット。水漏れを放置すると浴室の構造部分が腐食してしまう可能性もあるため注意が必要です。
◼ ユニットバスとハーフユニット、在来工法、どれが良い?
現在ユニットバスを使用している人にとっては、リフォーム後もユニットバスを選ぼうと思っている人が多いと思いますが、在来工法のお風呂を使用している人はリフォーム時どちらを選ぼうか悩んでいる人も多いかもしれません。ユニットバスとハーフユニット、在来工法の特徴をご紹介しましたが、実際にはどの工法を選ぶのが良いのでしょうか。
ユニットバスは規格が決まっており、選べるパーツが限られていることをご紹介しましたが、「選べるパーツがたくさんありすぎても迷ってしまう」「ある程度決められていた方が選びやすい」といったタイプの人にはデメリットとは感じないかもしれません。それでいて水漏れなどの心配も少ないため、一石二鳥だと思う人にとってはユニットバスがおすすめ。ただし浴室のサイズと合うかどうかだけは早めに確認するようにしましょう。
在来工法は自由度が高いため、パーツ一つ一つをこだわって選びたい人におすすめ。その分費用はかかってしまいますが、「自分だけのお風呂」を感じたい人は在来工法でお気に入りのお風呂にしてみると良いでしょう。ハーフユニットは浴槽や床からの水漏れを防ぎながらも上部で個性を出すことができるため、いいとこどりをしたい人におすすめです。それぞれのメリットとデメリットを考慮した上で工法を選ぶようにしましょう。
◼ リフォームのタイミング
ユニットバスとハーフユニット、在来工法の特徴、メリットとデメリットをご紹介してきました。漠然と「そろそろリフォームかな…」と思っていたとしても、なかなか踏み切るのは難しいですよね。そこでリフォームのタイミングの目安を参考にしてみてください。
・耐用年数
お風呂のリフォームをするタイミングは人それぞれですが、一番分かりやすい目安として耐用年数があります。ユニットバスは一般的に15~20年が耐用年数といわれており、国税庁による減価償却時の法定耐用年数は木造住宅で22年となっています。法定耐用年数が実際の耐用年数と同じというわけではありませんが、参考までに知っておくと良いでしょう。お風呂の使い方や環境によっても実際の耐用年数は変わってくるため、劣化の症状を定期的に確認しながらリフォームを検討してみてください。
・水漏れや床の浮き
ユニットバスで水漏れが起こることは少ないですが、在来工法のお風呂を使用していると経年劣化で水漏れが起こってしまうことがあります。お風呂の水漏れを放置していると、家の構造部分まで腐蝕が進んで家自体の劣化につながることも。またユニットバスのメーカーや施工状態によっては、床が浮いてしまうこともあります。部分的な補修だけで済む場合もありますが、気になる劣化の症状が現れたらまずは業者に連絡して見てもらうことをおすすめします。
・汚れやカビが落ちない
お風呂は長い年数使用していると、汚れが落ちにくくなったりカビが繁殖してしまうことがあります。全身を洗って一日の疲れを癒す場所であるお風呂が清潔でなくなってくると、快適に使うことができなくなりますよね。汚れやカビが落ちないこと自体が必ずしもすぐにリフォームが必要という状態というわけではありませんが、リフォームのタイミングの目安として認識しておいても良いかもしれません。
・段差による負担
お風呂には、洗面所からの入り口や洗い場と浴槽の境目など、段差がある部分が多いですよね。特に浴槽の出入りにはかなりの高低差があるため、高齢の方やお子様がいると危険が伴うことも。濡れた床や浴槽で足を滑らせて転倒してしまう可能性もあるため、できるだけ安全なお風呂にしたいという理由でリフォームを検討されることもあります。洗面所からの入り口も少しの段差ですが、あるのとないのとでは毎日の負担が変わってきます。段差による負担を解消したい場合にもリフォームを検討してみてください。
・バリアフリーリフォーム
段差による負担の項目でもご紹介した通り、お風呂は危険を伴うことのある場所でもあります。ご高齢の方がいる場合や介護が必要になった場合に、バリアフリー化をきっかけにリフォームを決断されることもあります。バリアフリーリフォームは、段差の解消だけではなく、手すりの設置や滑りにくい床の選択、浴槽の高さの調整、浴室暖房の設置などさまざまな工事内容があります。万が一お風呂で何かあったときにも対応できるように、呼び出しボタンを設置することも。家の中での事故のリスクを少しでも防げるように、不安がある場合はバリアフリーリフォームも検討してみてください。
◼ ユニットバスを長く使うために
ユニットバスリフォームのタイミングの目安をご紹介しましたが、できるだけ長く使ってリフォームを後ろ倒しにしたいと思っている人も多いはず。そこでユニットバスを長く使うために気を付けたいポイントをご紹介します。
・毎日の掃除
当然のことではありますが、毎日のお掃除を丁寧に行うことがユニットバスを長く使うためのポイントの一つ。お風呂は毎日水を使うだけではなく、石鹸カスや皮脂汚れなどさまざまな汚れが付きやすい場所です。浴槽にお湯を張る前には浴槽を洗うという人は多いはずですが、床や壁などは必ずしも毎日掃除するわけではないという人もいるかもしれません。定期的に行っていれば良いのですが、特に床には汚れが溜まりやすいため注意が必要です。汚れが溜まってから掃除するよりも毎日少しずつ掃除する方が楽に済ませることができるため、できるだけこまめに行うようにしましょう。
・カビの発生を防ぐ
カビの発生を防ぐこともユニットバスを長く使うためのポイント。とはいえ何をやれば良いか分からないという人もいるかもしれません。カビは湿度の高いところや湿気のこもりやすい場所を好みます。浴槽にお湯を張ったときは必ず蓋をすることや入浴が終わったらお湯を抜くこと、壁や天井についた水滴を拭き取ること、これらを行うことでカビの発生を抑えることができます。カビを見つけたときは、繁殖する前に早めに取り除くようにしましょう。
◼ まとめ
お風呂にはユニットバスとハーフユニット、在来工法の3種類があります。ユニットバスは規格が決まっている一方で水漏れの心配がなく、リフォーム時の工期が短いことが特徴。在来工法は設計の自由度が高い一方で費用が高いことや水漏れの可能性があることに注意が必要です。ハーフユニットはどちらの良さも取り入れることができますが、お手入れをしっかりできる人におすすめです。リフォームのタイミングに迷ってしまう人も多いと思いますが、耐用年数や劣化の症状に注意しながらできるだけ早めに対応するようにしましょう。またユニットバスを長く使うためには、毎日の掃除やカビ予防など、基本的なことを丁寧に行うことがポイントです。
ハウジング重兵衛は、千葉県と茨城県で水回りを中心としたリフォームを行っています。創業120年の経験と実績をもとに、お客様のご要望をお聞きしながらプランをご提案させていただきます。千葉県と茨城県でお風呂のリフォームやユニットバスの交換、その他水回りのリフォームをご検討の際はぜひお気軽にご相談ください。
ハウジング重兵衛 編集部のプロフィール
リフォームを中心とした住宅業界
免許登録
・一級建築士事務所 登録番号 第1-2004-7311号
・国土交通大臣 許可(般-5)第25003号
・宅地建物取引番号(5)第13807号
資格情報
・一級建築士
・二級建築士
・インテリアコーディネーター