増築するなら知っておきたい法規制と注意点
住まいの増築を考える際には、間取りやデザインだけでなく、法律や規制についても理解しておくことが重要です。
許可を得ずに工事を進めると、後々トラブルになる可能性もあります。
今回は、増築に関わる法規制と、スムーズに進めるためのポイントをご紹介します。
この記事は、次の人におすすめです!
・家族が増えて家が狭くなってきた
・引っ越しか増築か悩んでいる
1 建築基準法による制限
建築基準法では、土地の用途や建物の規模に関してさまざまな規制が設けられています。特に重要なのは「建ぺい率」と「容積率」です。
- 建ぺい率
敷地面積に対する建築面積の割合で、敷地の広さに対して建物が占める面積の限度を示します。これを超える増築は違法となる可能性があります。 - 容積率
敷地面積に対する延べ床面積の割合で、建物全体の大きさを制限するものです。増築することでこの割合を超えると、工事が認められないことがあります。
また、建物の高さや隣地との距離など、地域ごとに定められたルールもあるため、事前に自治体へ確認が必要です。
- 建ぺい率と容積率の制限を確認する
- 地域ごとの高さ制限や距離制限に注意
- 増築前に自治体へ相談してルールを把握
2 確認申請が必要なケース
一定の増築工事を行う場合、自治体へ「建築確認申請」を提出する必要があります。
これを怠ると、完成後に違法建築とみなされ、最悪の場合は撤去命令が出ることもあります。
建築確認申請が必要なケースには以下が含まれます。
- 10㎡を超える増築(都市計画区域内の場合)
- 構造や用途の変更を伴う工事(例えば住宅の一部を店舗に変更するなど)
- 防火地域・準防火地域での増築
また、増築することで既存建物の構造に影響を与える場合、追加の耐震補強が求められることもあります。専門家と相談しながら、適切な手続きを踏むことが重要です。
- 10㎡を超える増築は確認申請が必要
- 用途変更を伴う場合も注意
- 耐震補強の必要性を専門家と確認
3 増築時の注意点
増築をスムーズに進めるためには、法規制だけでなく、工事計画やご近所との関係にも配慮が必要です。
- 近隣住民への配慮
増築工事は騒音や振動が発生するため、事前に近隣住民へ説明を行うことが大切です。トラブルを防ぐためにも、工事の期間や内容を事前に伝えておきましょう。
- 増築後の固定資産税
増築により建物の延べ床面積が増えると、固定資産税が上がる可能性があります。税金の負担も考慮した上で計画を立てることが重要です。
- 既存部分とのバランス
新しく増築する部分と既存の建物が調和するように設計することも大切です。特に耐震性や断熱性の違いが生じると、快適性や安全性に影響を及ぼすことがあります。
- 近隣住民への説明でトラブルを防ぐ
- 増築後の固定資産税の変動を確認
- 耐震性や断熱性のバランスを考慮
増築は事前の確認が大切
増築を成功させるためには、法規制をしっかり理解し、必要な手続きを踏むことが不可欠です。
自治体への確認や専門家の意見を取り入れながら、安心して住める家づくりを進めましょう。
ハウジング重兵衛 編集部のプロフィール
リフォームを中心とした住宅業界
免許登録
・一級建築士事務所 登録番号 第1-2004-7311号
・国土交通大臣 許可(般-5)第25003号
・宅地建物取引番号(5)第13807号
資格情報
・一級建築士
・二級建築士
・インテリアコーディネーター