和式から洋式へのリフォーム|費用や工事について
総務省の調査によると、2008年の段階で一般家庭のトイレのうち約9割が洋式トイレという結果が出ています。新しく和式トイレを設置する事例はほとんどなく、現在和式トイレを使用している家庭ではリフォーム時に洋式トイレに変えることが多いようです。そこで和式から洋式にリフォームする際に知っておきたい、費用や工期、工事方法などの基本的な知識をご紹介します。
◼ 和式と洋式の違い
和式トイレと洋式トイレがどのようなものかはご存知かと思いますが、まず初めにそれぞれの特徴についてまとめます。それぞれのメリットやデメリットも知っておきましょう。
・和式トイレ
和式トイレは文字通り、日本に古くからある形のトイレのことをいいます。現在使われている陶器式の水洗和式トイレは1900年代に作られたものです。1960年頃から洋式トイレが採用されるようになったことで、徐々に和式トイレのシェアが減ってきています。若い世代は和式トイレを使う機会も限られるかもしれませんが、新しく設置されることがほとんどないとはいえ、和式トイレにもメリットはあります。
一つ目に和式トイレの形状は排便しやすいのがメリットとしてあげられます。しゃがむ体勢によってお腹に力が入りやすくなり、スムーズに排便できるといわれています。二つ目のメリットとして、洋式トイレよりもシンプルな形状なので掃除がしやすい点があげられます。床がタイルであれば、便器と一緒に洗うことができます。また洋式トイレとの大きな違いとして、他の人が座ったあとの便器に直接お尻を付けることがない点もメリットとなります。
和式トイレのデメリットとしては、一つ目に足腰への負担が大きいことがあげられます。トイレに行く度に立ち座りの動作をしなければならないため、高齢の方や妊婦さんなどには負担が大きくなってしまいます。臭いが発生しやすいことやトイレが詰まりやすいこと、故障したときに修理が大変であることも和式トイレのデメリットです。
・洋式トイレ
使用したことがない人はほとんどいないであろう洋式トイレですが、メリットとデメリットをご紹介します。洋式トイレは楽な姿勢で用を足すことができるため、和式トイレと比べて足腰への負担がほとんどありません。衛生面でも、トイレ自体をきれいに保ちやすく、温水洗浄便座を付けることでお尻も清潔にすることができます。最新のトイレを採用すると、古いものや和式のトイレと比べてかなり節水効果が高くなっています。
約9割の家庭で使用されている洋式トイレですが、デメリットもあります。一つ目に、細かいところまできれいに掃除するのが難しいのが洋式トイレのデメリット。和式トイレと比べてさまざまなパーツが組み合わされていることがその理由です。また便座に直接座る洋式トイレでは、他の人が座ったあとの便座にお尻が降れなければならないのもデメリットの一つ。公共施設などではあえて和式トイレを選んで使用する人もいますが、家に設置するトイレであれば問題ないかもしれません。
◼ 和式から洋式にリフォームする理由
和式トイレと洋式トイレにはそれぞれメリットとデメリットがあることが分かりましたが、それでも洋式トイレにリフォームする人が多い理由とは何なのでしょうか。和式トイレのデメリットを前提として、洋式トイレにリフォームする理由についてご紹介します。
・体への負担が大きい
和式トイレから洋式トイレにリフォームする理由として、体への負担が大きいことがあげられます。便器にまたがってしゃがんだ体勢で用を足すことや、しゃんだり立ったりという動作を繰り返すことから、和式トイレは体への負担が大きいといえます。これは和式トイレの一番のデメリットであり、転倒などの事故にもつながりかねません。足腰が弱い方やご高齢の方、妊婦さんなどにとって、一日に何度も苦しい体勢を取ることは体に負担がかかりますよね。また小さいお子様がいる場合も、使用するのが難しいかもしれません。
・衛生面
和式トイレのデメリットとして、臭いが発生しやすいことをご紹介しました。排便時、水中に落ちていく洋式トイレに対し、和式トイレは水の量が少ないため便器に付着して残ってしまうことがあります。水流で流れる洋式トイレと違って槽が浅いため、臭いも残りやすいのがその原因です。臭いが発生しやすいだけではなく、和式トイレは水跳ねしやすく清潔に保ちにくい特徴も持っています。このように衛生面が気になって洋式トイレにリフォームするケースも多くあります。
・修理が大変
水流で流れる洋式トイレに対して、和式トイレはトイレットペーパーや排泄物が流れにくく詰まってしまうこともあります。このように詰まりやその他のトラブルで修理が必要になった場合、部分的な修理が難しいのも和式トイレのデメリット。古い和式トイレであれば部品交換に対応していなかったり、大掛かりな修理でしか直せなかったりすることも。便器交換しか対応方法がないとなると、また和式トイレにするよりも洋式トイレに変えてしまおうというケースも考えられます。
◼ 洋式にリフォームする際にかかる費用
リフォームするとき費用が気になる人も多いことでしょう。トイレを和式から洋式にリフォームする場合、どのような項目にどのくらいの費用がかかるのでしょうか。一般的にトイレ本体、解体や設置工事、内装、付属設備が費用の内訳となります。それぞれの特徴と費用をご紹介します。
・トイレ本体
トイレ本体はメーカーやシリーズ、グレードによって価格が異なりますが、10万円~40万円が本体の相場となっています。デザイン性や機能性が高いものは価格も上がってしまいますが、その分節水機能がついていたりお手入れが楽な設計になっていたりするため、長期的に見るとお得な場合もあります。
・解体や設置
和式から洋式にリフォームする場合、洋式から洋式にリフォームする場合と比べて費用が高くなる傾向があります。トイレに入って段差を上ってから便器が設置されているタイプの和式トイレの場合、段差をなくしてフラットにする工事も必要になります。業者によってはトイレ本体の価格と工事費用がセットで表示されていることもありますが、配管工事など追加の工事があれば費用も追加でかかるため注意が必要です。
・内装工事
和式トイレは床や壁がタイル張りであることが多いかもしれません。冬場にトイレが寒く感じる原因でもあるため、リフォーム時にクッションフロアやクロスに張り替えることができます。費用を抑えるために内装工事を行うか悩んでいる場合、後回しにするよりも同時に行うことをおすすめします。後から「やっぱり内装も……」と新たに内装工事をすることもできますが、養生などの作業を一からやり直さなければならないため、余分に費用がかかってしまうためです。
・コンセントなどの付属設備
和式トイレにはコンセントが設置されていないことも多いです。洋式トイレにリフォームして温水洗浄機能を付けるのであれば、コンセントを設置する必要があります。温水洗浄機能を付けたいと思っている場合、コンセントを設置することを忘れないようにしましょう。
◼ 和式から洋式へのリフォーム
和式トイレから洋式トイレにリフォームする場合の工事方法、工期についてご紹介します。少しでも費用を抑えたい方は、補助金が受けられる可能性もあるためリフォーム前に確認するようにしましょう。
・工事方法
和式から洋式にリフォームする場合、洋式から洋式の便器交換と比べて大掛かりな工事が必要です。まずはもともとの便器と下地を撤去し、配管や電気の工事を行います。床下の工事、内装工事を行った上で新しい洋式の便器を設置します。トイレ本体だけを交換すれば良いリフォームよりも、工事内容が複雑になります。
・工期
工事内容が複雑であることから、洋式から洋式のトイレリフォームより工期も長い傾向があります。和式から洋式にリフォームする場合、一般的な工期は2~3日です。リフォーム中は家のトイレが使えなくなるため、その間どこかのトイレを借りるのか、仮住まいを探すのか、といった対応も考える必要があります。
・補助金が受けられることも
家族に介護が必要な方がいる場合、和式トイレを使用するのは難しいですよね。また和式トイレは最新式の洋式トイレと比べて流すときにたくさんの水を使います。そのためバリアフリーリフォームやエコリフォームとして補助金が受けられる可能性があります。自治体によって補助金を受けられるかどうかが異なるため、リフォーム前に申請して許可を得た上で工事を始めるということを頭に入れておくようにしましょう。
◼ まとめ
和式トイレを使用していると、高齢の方や妊婦さんが家族にいる場合、体への負担が気になるかもしれません。用を足すときの体勢やしゃがんだり立ったりという動作が足腰に負担をかけてしまうことが、洋式トイレへのリフォームを検討される理由の一つとなります。他にも衛生面が気になる、臭いが気になる、という理由でリフォームされる方もいます。洋式トイレから洋式にリフォームする場合と比べて費用が高い傾向がありますが、最新式のトイレは節水機能が付いているため、長い目で見るとお得になる場合もあります。安全性や衛生面から見ても、洋式トイレにリフォームすることはおすすめです。
ハウジング重兵衛は千葉県と茨城県でリフォーム事業を展開している会社です。お客様との信頼関係を大切にしながら、無料相談からお見積り、プランのご提案、施工、アフターサービスまで、しっかりご対応させていただいています。地域最大級のショールームでは、さまざまなメーカーの商品を展示しています。駐車場やキッズスペースも併設しているため、休日にご家族連れでもご安心してお越しいただけます。電話やメールでのご相談もお待ちしております。
ハウジング重兵衛 編集部のプロフィール
リフォームを中心とした住宅業界
免許登録
・一級建築士事務所 登録番号 第1-2004-7311号
・国土交通大臣 許可(般-5)第25003号
・宅地建物取引番号(5)第13807号
資格情報
・一級建築士
・二級建築士
・インテリアコーディネーター