便器交換のタイミングは?寿命を迎える前に早めに行った方が良い?
便器の劣化や故障が理由でトイレのリフォームを決断されることが多いため、トイレリフォームの多くは便器の交換のみとなっています。
そこで、便器交換のタイミングやサイン、寿命前に交換するメリットなど、便器交換に関するさまざまな知識をご紹介します。
◼ コラムのポイント
1、便器交換のタイミングの目安を知ることができます
2、便器交換のサインを学べます
3、寿命の前に便器交換を行うメリットが分かります
目次
◼ 便器交換のタイミング
トイレの便器はなかなか簡単に壊れるものではないため、タイミングに悩んでしまうこともあるかもしれません。
便器交換のタイミングを知ることで、「そろそろ交換時期かな?」と目安にすることができます。便器交換のタイミングについて把握しておきましょう。
・便器の耐用年数
トイレの耐用年数は15年といわれていますが、便器が陶器製であれば100年は使い続けられるといわれています。しかし陶器の部分は丈夫であっても、タンクやパイプといった他の部分やパーツは劣化してしまうことがあります。一般的にタンクが10年、配管は20年で交換の時期を迎えるといわれています。
また最近のトイレには温水洗浄機が付いていることが多いですが、こちらも寿命は10年といわれています。使い方や頻度によっても変わってくるため、寿命が近くなると注意して様子を見るようにしましょう。
・ひび割れ
便器は100年もつともいわれるほど耐久性が高いですが、衝撃によるひび割れには弱い特性を持っています。掃除中に誤って衝撃を加えてしまったり、地震によってひび割れてしまったりすることも。
ひび割れは水漏れにもつながり、トイレ内だけではなく家全体の腐蝕にもつながりかねないため注意が必要です。またひび割れた陶器は危険なため、お子様がいる場合は特に早めに交換することをおすすめします。
・部品の故障
トイレを長い年数使用していると、故障してしまうこともあるはず。トイレ自体は問題なくても部品の故障が何度も起こると、修理に手間がかかってしまいますよね。
部品の修理だけで済むのであれば修理だけを行うこともできますが、何度も故障を繰り返すようであればいっそのこと交換してしまった方が手間も費用もかからないかもしれません。
→トイレはタンクだけ交換できる?交換が必要なタイミングも
・節水対策
最新のトイレは節水機能に優れた商品がたくさん販売されています。1990年台のトイレでは一回流すのに使う水の量が約10リットルだったのに対し、2000年台で約6リットル、2012年現在で3.8リットルにまで減っています。
10年前のトイレから最新のトイレにリフォームすると、約40%の節水効果が期待できることになります。古いトイレでたくさんの水の量を流し続けるよりも、新しいトイレに交換して節水した方がお得ですよね。
リフォーム時の費用こそかかりますが、快適なトイレに交換した上でランニングコストを節約できるのであれば一石二鳥だといえるでしょう。
・バリアフリー化
便器の交換はバリアフリー化のタイミングで行うことも。家の高齢の方や介護が必要な方がいる場合、バリアフリーリフォームを検討することもあるはず。
手すりの設置や段差の解消といった工事だけを行って、また数ヶ月後や一年後などに便器の交換をするようであれば同時に行った方が良いですよね。便器が古くなってきていると感じていたとしたら、バリアフリーリフォームのタイミングで交換することをおすすめします。
→和式から洋式へのリフォーム|費用や工事について
・他の水回りとの同時リフォーム
家の中にはトイレの他にもキッチンやお風呂、洗面所といった水回りの設備があります。他の水回りと同時にリフォームすることで費用を抑えられることも。
リフォームのたびに業者を探して連絡、打ち合わせを進めて着工、引き渡し…という流れを繰り返すよりも、一度にできるだけまとめてリフォームを行った方が手間も省くことができます。
◼ 便器交換のサイン
便器交換のタイミングについてご紹介してきましたが、寿命が近いことを知るためのサインについても知っておきましょう。詰まりやすくなった、水漏れ、流れない、水が止まらない、など考えられる症状をご紹介します。
・詰まりやすくなった
トイレを長年使っていると、詰まりやすくなることがあります。詰まりやすくなる原因として、トイレットペーパーを大量に流しすぎたり異物を落としてしまったりすることがあげられます。
排水管の中のS字の部分が詰まりやすくなっており、奥深くで詰まった場合は床を剥がして取り除く工事が必要になることも。年数が経てば経つほど大掛かりな工事が必要になる可能性が高いため、大変な事態になる前に劣化のサインとして便器交換を検討してみるようにしましょう。
・水漏れ
トイレからの水漏れは、タンクや便器内でチョロチョロと少量の水が漏れるものもあれば、便器と床の隙間から水が染みてくるようなものまで程度はさまざまです。どちらにせよトイレから水漏れが起こっている場合は、便器交換のサインかもしれません。
水漏れに気付いたときは、まずはどこから水漏れの音がしているかを確認するようにしましょう。タンクから聞こえるのか、便器から聞こえるのかによって対応が変わってきます。また便器のひび割れによって水漏れが起こっている場合もあり、その場合は早めの対応が必要なので業者に連絡して見てもらうようにしましょう。
・レバーを回しても流れない
レバーを回しても水が流れないときには、さまざまな原因が考えられます。止水栓が閉まっている、ボールタップや浮き球が壊れている、タンク内の鎖が切れている、レバー自体が壊れている、など。
水が流れないことの原因によって対応が変わってきますが、不具合が起きているのは交換のサインでもあるため早めに業者に依頼するようにしましょう。
・手洗い器の水が止まらない
便器の後ろ側にタンクが付いているタイプのトイレでは、タンクの上に手洗い器が付いていることがほとんど。手を洗ったあとの水はタンク内に溜まり、トイレを流すときの水として再利用されています。そんな手洗い器の水が止まらなくなったときも交換のサインだといえます。
原因としては止水栓やフィルター、ダイヤフラム、ジャバラホース、浮き球などが考えられます。手洗い器の水が流れないと不便になりますので、原因に合わせて適切な対応を行うようにしましょう。
→トイレが逆流する原因と対応方法|早めに業者に依頼しよう
◼ 寿命の前に交換するメリット
トイレのタンクは一般的に10年、温水洗浄機は7~10年が寿命といわれています。パッキンや配管などは20年ほどの寿命がありますが、配管が壊れると水漏れにつながってしまうこともあるため、寿命を目安に点検を行うようにしましょう。
便座自体は陶器でできているため、ひび割れをしない限りは長い期間使うことができます。しかし年数が経つと変色や汚れなどが気になってくるため、気持ちよく使用できなくなった段階で交換を行うと良いでしょう。
・掃除の手間を削減できる
トイレは家族全員が一日に何度も使用するため、汚れてしまいやすい箇所です。きれいに保っておきたいですが、掃除に手間がかかる箇所ともいえます。隅々まで掃除が行き届いていない状態が続くと、汚れや臭いがこびりついてしまいます。
最新式のトイレではお手入れしやすい商品も揃っています。例えば、汚れが溜まりやすい便座のフチがフラットになっているもの、便座とタンクの隙間をスイッチで上げることができるもの、温水洗浄機のノズルを自動洗浄してくれるものなどがあります。今のトイレの清潔感に不満がある場合は、思い切ってリフォームを検討してみてはいかがでしょうか。
・節電や節水につながる
トイレでは、水を流すための水道代や温水洗浄機を使用するための電気代が必要です。
古いタイプのトイレでは一回に流す水の量が14~15リットルほどといわれていますが、技術の進歩により最新式のトイレでは4~5リットルで済むようになっています。1回当たり10リットル違うため、一日で流す水の量を考えるとかなりの節水になります。
温水洗浄機も、消費電力が少なくて済むように設計されているものが増えています。便座を温める機能をオフにしたり、温水シャワーの温度を下げたりといったことを機械が自動で行ってくれます。節水と節電、一回当たりの値段で考えるとそこまで大きい額ではありませんが、10年間使用すると想定すると10~15万円お得になる計算になります。
・新しい機能で快適に使える
故障やお手入れのしにくさなどマイナスの面だけではなく、「新しい機能の付いたトイレにしたい」という理由でリフォームされることもあります。最新式のトイレは便器の中をきれいに保つ機能や節水機能、蓋や洗浄のオート機能などさまざまな機能が搭載されています。
リフォームの費用はかかってしまいますが、節水機能のあるトイレにすることでランニングコストを抑えられる上に快適に高機能なトイレを使用することができます。
→トイレ増設費用、工期の実例紹介|補助金、簡単な増設方法、注意点なども解説
◼ まとめ
便器交換のタイミングや目安となるサイン、便器が寿命を迎える前に交換することのメリットについてご紹介してきました。
トイレに関する悩みは業者に依頼することで解消されることもあります。ハウジング重兵衛では、トイレの詰まりや水漏れ、故障といった不具合による修理を受け付けています。修理のタイミングで便器の交換やトイレ内のリフォームも一緒にいかがでしょうか?
ハウジング重兵衛 編集部のプロフィール
リフォームを中心とした住宅業界
免許登録
・一級建築士事務所 登録番号 第1-2004-7311号
・国土交通大臣 許可(般-5)第25003号
・宅地建物取引番号(5)第13807号
資格情報
・一級建築士
・二級建築士
・インテリアコーディネーター