2階にお風呂を設置することのメリットとデメリット
戸建て住宅では、お風呂が1階にある家が多いのではないでしょうか。しかし家族の人数やライフスタイルによっては、「2階にお風呂がほしい」「1階だけではなく2階にもあると便利」ということもあるかもしれません。
そこで2階にお風呂を設置することのメリットとデメリット、2階へのお風呂の増設についてご紹介します。
◼ コラムのポイント
1、2階にお風呂を設置することのメリットとデメリットを知ることができます
2、「2階にお風呂を増設することはできるのか?」という疑問が解消されます
3、実際にお風呂を増設した事例を見ることができます
目次
◼ 2階にお風呂を設置するメリット
1階にあることの多いお風呂ですが、2階にお風呂を設置することにもメリットがあります。
お風呂を2階にしようか悩んでいる方、1階だけではなく2階にもお風呂が欲しいと思っている方はぜひ参考にしてみてください。
・1階を広々と使える
家族で住む家のお風呂は、ユニットバスで一般的に1坪~1.25坪。同じくらいの広さの洗面所を隣接させると仮定すると2坪~2.5坪のスペースが必要になります。
お風呂を1階ではなく2階に設置することで、1階のスぺースが2坪~2.5坪空くことになりますよね。
広々と使えるとはいっても、たったの2坪~2.5坪ではそこまで変わらないのでは?と思うかもしれませんが、リビングを広げたり収納スペースを確保したりとかなり有効に使うことができます。ちょっとした書斎や子供の遊び場を作るなど、アイディア次第で1階の使い方が広がるはずです。
・1階に生活感が出にくい
お風呂や洗面所といった水回りは、生活感が出やすい場所の一つですよね。来客のためにきれいにしているときはよくても、ふとしたときに見られると生活感を隠し切れていなくて恥ずかしいと感じることもあるかもしれません。
1階は来客時にお客様の目に入りやすいため、2階にお風呂があると、プライベートな空間であるお風呂をお客様に見られずに済みます。来客時でも家族が気兼ねなくお風呂に入ることができる点も安心です。
・洗濯の動線がスムーズに
2階にお風呂があることのメリットとして、洗濯の動線がスムーズであることもあげられます。
お風呂に隣接している洗面所で洗濯機を回し、物干し竿のあるベランダやバルコニーに洗濯物を持って移動してから干しますよね。洗濯物を干す場所が1階にある場合はお風呂が1階でも動線に問題ありませんが、2階のベランダやバルコニーに干す場合は2階にお風呂があると動線がスムーズです。
階段の上り下りの負担しか変わらないように感じられるかもしれませんが、洗濯は毎日のことなので少しでも動線が楽な方がいいですよね。お風呂の場所と洗濯物を干す場所の動線は事前に考えた上で間取りを決めるようにしましょう。
→洗面所にはたくさんの収納が必要?収納場所やアイディアをご紹介
・浸水時の被害が少ない
最近は台風や大雨による浸水被害が起こることが増えてきています。
万が一家が浸水してしまうと、1階にある設備が使えなくなってしまいます。浸水の際にはお風呂などの設備だけではなく、家財や家の中の泥汚れなど他にも懸念材料はたくさんあります。
まずは命を守ることが最優先ではありますが、水道やガス、電気が復旧したらすぐにお風呂を使えるのは2階にお風呂があることのメリットの一つだといえます。
◼ 2階にお風呂を設置するデメリット
お風呂を2階に設置することのメリットをご紹介してきましたが、デメリットはあるのでしょうか。設置してから後悔することのないように、知識を身に付けておきましょう。
・1階への騒音
2階にお風呂を設置すると、1階への騒音が気になってしまう可能性があるのがデメリット。
間取りによっては、2階にリビング、1階に寝室など家族の部屋を配置することもありますよね。遅く帰ってきた家族が2階でお風呂に入っていると、1階の寝室に響いてしまってなかなか寝れない…といったことも考えられます。
お風呂の真下に寝室を配置しないようにしたり、音漏れしにくい設計やお風呂の使用時間の配慮など工夫が必要です。
・リフォーム費用
一般的に水回りは1階に設置されることが多いため、2階にお風呂を設置する際には配管を延長するなど追加の工事が必要になることも。そうなると費用が高くなってしまう可能性があるのがデメリットとなります。
2階に配管を通すためには太い配管が必要となり、通すために間取りが制限されてしまうこともあるということを頭に入れておきましょう。
→水回りリフォームの費用を抑えるためのポイント
・シャワーの水圧
2階にお風呂を設置すると、水を上に押し上げる力が必要になるため、水圧が弱くなるという問題が起こってしまいがちです。シャワーの水圧が弱いと、髪の毛や体を洗うときにプチストレスが溜まっていきますよね。
特にオール電化の家では1階に給湯器を設置することが多いため、水圧が弱くなることがあるようです。オール電化の場合には高圧給湯器を選ぶことで、シャワーの水圧に悩まずに済みます。
・将来的な不安
将来的に自分が高齢になったときや家族の誰かの介護が必要になったとき、2階にお風呂があると階段が負担になってしまうかもしれません。
お風呂に入る際にわざわざ階段を上り下りしなくて済むように、1階にあった方が安心かもしれません。将来的な面も考慮した上で、お風呂をどこに設置するかを判断するようにしましょう。
→お風呂で起こるヒートショックとは?安全のために対策を考えよう
・水漏れに注意が必要
最大のデメリットともいえるのが、水漏れ。2階にお風呂を設置すると、万が一水漏れしたときに1階が水浸しになってしまう可能性があります。
施工不良ではない限りそう簡単に起こることではありませんが、万が一起こってしまったときが大変ですよね。
また木造の戸建て住宅では水漏れによって木材が腐蝕することも考えられるため、家自体の強度にまで影響が出てしまいかねません。
床下に点検口を設置して定期的に漏水点検を行う必要があります。2階にお風呂を設置しようと検討している場合は、業者に「水漏れが起こった場合どうしたら良いのか」について事前に確認しておくようにしましょう。
→水漏れの原因や対応|水漏れに関するリフォーム事例
◼ 2階にお風呂を増設できる?
2階にお風呂を設置することのメリットとデメリットをご紹介してきました。新築時にもお風呂の場所を悩むと思いますが、リフォーム時に2階にお風呂を増設したいと思うこともあるかもしれません。2階にお風呂を増設することはできるのでしょうか。
・大掛かりな工事になる
新築で家を建てたときと比べて家族の人数が増えたり生活リズムが変わったりすると、2階にもお風呂がほしいなと思うこともあるかもしれません。
結論からいうと、2階にお風呂を増設することは可能です。しかし大掛かりな工事になることを頭に入れておく必要があります。
もともと水回りの設備がなかった場所をお風呂にするので、給排水の配管工事やガス管の設置、電気の配線、水漏れを防ぐための防水処理加工などを行わなければなりません。
・補強工事が必要
お風呂は1坪~1.25坪が一般的なサイズですが、その狭いスペースに浴槽とお湯の重量がかかることになります。浴槽は素材によって重さが変わりますが、30kgから100kgを超えるほど重いものまであり、300リットルのお湯が入る浴槽ではお湯の重さだけで300kgになることも。
これら以外にも人間の体重や浴槽以外の部材の重さもあるため、重みに耐えるための補強工事が必要になってきます。戸建て住宅は木造であることが多いため、築年数が経っている家や劣化の状況によっては、大掛かりな補強工事となることも頭に入れておきましょう。
・費用が高くなることも
ユニットバスの交換や浴槽の取り換えといった単純なリフォームとは異なり、2階にお風呂を増設する際にはさまざまな付帯工事が発生してしまいます。
その上補強工事まで行うとなると、費用が高くなることが懸念されます。工期も長くなるため、リフォーム工事中のお風呂をどうするかという問題も出てきますよね。どのようなお風呂を選ぶかによっても費用は変わってきますが、500万円を超えるような場合もあることを頭に入れておきましょう。
◼ お風呂を増築した実際の事例
こちらのお宅では、もともと4.5畳の豪華なお風呂がありました。広すぎて寒く浴槽が大きすぎてお湯がもったいないため、ちょうど良いサイズのお風呂にしたいとのご要望からリフォームのご依頼をいただきました。
愛犬のためにもともとのお風呂はそのまま残して、広いお庭にシステムバス分の1.25坪を増築してお風呂を設置することに。
増築ということで基礎工事から長い工期となってしまいましたが、快適にお風呂に入れているとのお言葉をいただきました。
◼ まとめ
2階にお風呂を設置することのメリットとデメリットをご紹介した上で、2階にお風呂を増設できるのかということもご紹介してきました。
2階にお風呂を増設することは可能ですが、配管や給排水など大掛かりな工事になるだけではなく、補強工事が必要なことも。その分費用も高くなる可能性があるため注意が必要です。
ハウジング重兵衛は、お風呂をはじめとする水回りのリフォームを行っている会社です。新築住宅を手掛ける会社や外壁塗装を行う会社と一緒に住まいの総合プロデュースを行っているため、お風呂の増設も行うことができます。
千葉県と茨城県でお風呂の増設やリフォームをご検討の際はぜひお気軽にご相談ください。電話やメールでのお問い合わせもお待ちしております。
ハウジング重兵衛 編集部のプロフィール
リフォームを中心とした住宅業界
免許登録
・一級建築士事務所 登録番号 第1-2004-7311号
・国土交通大臣 許可(般-5)第25003号
・宅地建物取引番号(5)第13807号
資格情報
・一級建築士
・二級建築士
・インテリアコーディネーター