お風呂のバリアフリーリフォームとは

家の中で起こる事故のうち約3割はお風呂で起こるといわれています。特に高齢の方にとって立ち座りの動作が多く、段差も多いお風呂は転倒の危険性が高い場所です。また洗面所や他の部屋との気温差によってヒートショックが起こってしまうことも考えられます。そこでお風呂のバリアフリーリフォームについてご紹介します。

 

◼ バリアフリーの重要性

ナチュラルなお風呂

バリアフリーとは、生活する上で障壁を取り除くことをいいます。一般的には手すりを設置したり段差を解消したりすることを想像しますが、それだけではなくお風呂においてはヒートショックを起こさないような対策も考える必要があります。お風呂に入っているときに点灯したりヒートショックが起こったりすることのないよう、危険や体への負担を減らすことが大切です。

 

今は高齢の方や介護が必要な方、身体に障害のある方がご家族にいらっしゃらないとしても、将来的に年齢を重ねていくことでバリアフリーが必要になることも考えられます。お子様がいらっしゃる場合でも段差や床で滑っての転倒が起こると危険です。早めにバリアフリーリフォームを検討されてみても良いかもしれません。

 

◼ お風呂の危険なポイント

清潔感のあるお風呂

お風呂は一日の疲れを癒やしてくれる場所ですが、転倒や転落、ヒートショックなどが起こりうる危険な場所ともいえます。中でもどのような箇所に気を付けるべきなのでしょうか。危険なポイントを知るだけでも気を付けることができますが、バリアフリーリフォームをする際の参考にもしてみてくださいね。

 

・出入口

まずはお風呂に入るときに危険が潜んでいます。昔ながらのお風呂の場合は出入口に段差があることがあります。段差に高さがあると、躓いて転倒してしまう可能性があるだけではなく、床が濡れていると滑ってしまうことも。

 

・滑りやすい床

お風呂にはタイルや樹脂、シートなどさまざまな種類の床材がありますが、水で濡れることで滑りやすくなってしまいます。それだけではなくシャンプーや石鹸がきちんと流れず残ってしまっていると、更に転倒のリスクは高まります。

 

・浴槽の出入り

お風呂の洗い場から浴槽に入るとき、一般的には50cm前後の高さを跨がなければなりません。洗い場の床よりも浴槽の底を低くすることで45cm前後まで高さを縮めることができますが、あまりに浴槽の底が低いのも入りにくくなってしまいます。足腰が弱ってくると、跨ぐという動作をしている途中でバランスを崩してしまうことがあります。浴槽に入ろうとしているときに転倒すると、おぼれてしまう可能性もあるため注意が必要です。転倒するほどではなくても、足腰に負担がかかってしまうことに変わりないため、手すりを設置することで少しでも負担を減らすことができることでしょう。

 

・洗面所との温度差

冬場はお風呂が寒く感じられることも多いですよね。洗面所やお風呂の洗い場の温度が低いと血圧が上昇しますが、その状態で湯船に入ると血圧が急に下がってしまいます。これをヒートショックといい、心筋梗塞や脳梗塞を起こしてしまう可能性があります。その場で失神して倒れたりおぼれたりしてしまう事態にもつながりかねないため、特に高齢の方は注意が必要です。

 

◼ バリアフリーリフォーム

シックなお風呂

お風呂には危険なポイントがいくつもあることが分かりました。疲れを癒すためのお風呂で危険な事態を引き起こさないためにも、バリアフリーリフォームを行うことをおすすめします。そこでどのような箇所をどのようにリフォームすると良いのか、それぞれの項目ごとにご紹介します。

 

・扉

お風呂と洗面所の境目であるお風呂の扉。開き方には内開きと外開き、引き戸や折れ戸といった種類があります。内開きの扉だと、万が一お風呂の中で誰かが倒れてしまったときに扉を開けることができなくなってしまう可能性があります。そういったことを防ぐためにも、引き戸や折れ戸の採用がおすすめです。引き戸は出入口のスぺースを有効に使えるため、車椅子の方がいらっしゃる場合でも安心して使用することができます。

 

・出入口の段差

お風呂の出入口が危険な箇所であることをご紹介しましたが、躓いて転倒することを防ぐためには段差をなくすか2cm以下に設定すると安全性が高まります。バリアフリーの観点からいうと段差がないのが一番望ましいですが、完全にフラットな状態にすると洗面所側に水が漏れやすくなってしまいます。排水口側に向けて少し傾斜が付いた設計にされていることもありますが、段差を完全になくしたい場合はリフォーム業者に相談してみるようにしましょう。

 

・床材

昔ながらのお風呂には床材にタイルが使われていることが多いですが、タイルは濡れると滑りやすい特徴があります。タイル自体が硬い素材なので、転倒して頭を打つと大きな怪我をしてしまうことも。お風呂のリフォームをする際には、滑り止め効果のある素材や断熱性がある素材などを選ぶことをおすすめします。滑ったり転倒したりしたときの衝撃を吸収してくれるような素材もあるため、床材を選ぶときにはチェックしてみてください。

 

・手すりの設置

バリアフリーといえば手すりの設置を思い浮かべる人も多いかもしれません。お風呂は立ったり座ったり、浴槽を跨いだりと、転倒のリスクがある動作を何度もしなければなりません。そういったときに手すりがあると転倒のリスクを防ぐだけではなく、足腰への負担を軽減することもできます。出入口やシャワーの近く、浴槽の出入りをする際に掴みやすい位置、浴槽の中などに手すりを設置すると安全性が高まります。

 

・浴槽の高さ

湯船に浸かると一日の疲れを癒やすことができますが、浴槽への出入りには体力を使ったり足腰への負担がかかってしまったりする箇所でもあります。浴槽の縁が高すぎると跨ぐのが難しいため、浴槽を少し床に埋め込んだような形にすることで出入りしやすく且つ安全性も高めることができます。浴槽によっては段差が付けられているものや傾斜が付いているものもあります。予算との兼ね合いもありますが、浴槽は転倒だけではなくおぼれてしまう可能性もあるため、検討を重ねて選ぶようにしましょう。

 

・暖房機能

冬場はお風呂が寒く感じられることがありますが、高齢の方にとっては寒いだけではなく危険なポイントでもあります。洗面所やお風呂の洗い場と湯船との温度差によって急激に血圧が下がってヒートショックが起こることがあるためです。ヒートショックを防ぐためには、洗面所やお風呂の中をあたたかくして温度差を少なくすることが効果的です。洗面所には暖房機器を置いたり、お風呂には暖房機能を設置することがおすすめです。お風呂に入る前にお風呂をあたためておくことでヒートショックを防ぐことができます。

 

・呼び出しボタン

給湯器に付いていることも多い呼び出しボタンですが、万が一お風呂で何かあったときに呼び出しボタンを使って危険を知らせることができます。家族だからといって本人が嫌がる中お風呂を見守ることもできないため、呼び出しボタンがあると安心です。

 

◼ お風呂のバリアフリーリフォームの事例

お風呂のバリアフリーリフォームについて、危険なポイントやバリアフリーにできる箇所についてご紹介しました。ハウジング重兵衛が手がけたお風呂のバリアフリーリフォームをご紹介します。

 

・段差をなくしたバリアフリーリフォーム

バリアフリーリフォーム

もともと冬場のお風呂が寒いことを気にされてリフォームのご依頼をいただきました。換気乾燥暖房機を設置することや洗面所との段差をなくすこと、手すりを設置することでバリアフリーリフォームを行いました。同時に行った洗面所リフォームで収納が増えたことも喜んでいただきました。

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・在来工法からユニットバスへ

ユニットバス

在来工法のお風呂だったこともあり冬場の寒さを改善したいとのご要望でした。在来工法からユニットバスに変更することで寒さを改善し、出入口の段差をフラットにすることで躓く心配もありません。追い焚き専用だった給湯器の交換をご提案しましたが、「交換して良かった」とのお言葉をいただきました。

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・滑りやすかったタイルの床をリフォーム

床をリフォーム

お風呂の床がタイルで滑りやすかったため、転倒事故を心配してユニットバスへの変更をご希望でした。床材の変更だけではなく手すりの設置をすることでより安全性の高いお風呂に仕上がりました。きれいになって満足とのお声をいただきました。

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◼ まとめ

広々としたお風呂

家の中で起こる事故のうち約3割がお風呂で起こるといわれています。段差が多いことや滑りやすかったり転倒しやすかったりすることがその原因です。高齢の方や介護が必要な方、身体に障害のある方がご家族にいらっしゃる場合、バリアフリーリフォームを検討されていることもあるかもしれません。まだ今は必要ないという人にとっても、お風呂での事故を防ぐために早めにバリアフリーリフォームをするのはいかがでしょうか。

 

お風呂の出入口や滑りやすい床、浴槽の出入り、洗面所との温度差など、お風呂には危険がいっぱい潜んでいます。立ったり座ったりといった動作も多いため、転倒にはつながらなかったとしても足腰への負担がかかりやすい場所でもあります。お風呂のバリアフリーリフォームは段差の解消や手すりの設置、床材選び、暖房機能などさまざまな内容が考えられます。予算との兼ね合いもありますが、ご家族の年齢や状態に応じて最適なリフォーム内容を検討してみてくださいね。

 

ハウジング重兵衛はリフォームの中でも水回りを得意とする会社です。創業120年の経験と実績を活かして、千葉県と茨城県でリフォームを行っています。地域最大級のショールームを展開しており、さまざまなメーカーの商品を展示しており見学や相談を受け付けています。千葉県と茨城県でリフォームをご検討の際は、ぜひお気軽にお問い合わせください。

 

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